「アリアリナンヤッ!」でウェルビーイングな学校づくり
北海道帯広聾学校長 二階堂 洋子
4月8日、令和8年度の入学式が執り行われ、幼稚部3名、小学部4名の新入生を迎えました。学校長式辞の中で、新入生一人一人の名前を呼びました。そのときに、小学部新入生の1人が、「はい!」と手を挙げて返事をし、すっと立って歩き出し、管理職席の前で一礼しました。これは、卒業式・修了式で証書を授与される際の動きです。そのときの会場の空気は、とても温かいものでした。儀式的行事ですので、厳かな雰囲気の中での作法やマナーももちろん大切です。ですが、子どもの成長や努力を尊重しながら、必要なときにさりげなく支援する教職員の姿勢や、「卒業式の動きをしっかり覚えていたね」と、先生方・保護者・来賓の方々が皆で温かく見守る雰囲気が、豊かな場と時間をつくっていると感じ、心が温まりました。新入生の自己紹介も、中学部生徒の歓迎の挨拶も、在校生の態度も立派でした。皆で素敵な学校をつくっていることを、改めて感じました。今年度は全校幼児児童生徒18名でスタートしたほか、0歳~2歳児までの乳幼児相談室(聴覚障害乳幼児療育事業)も開級しました。
今年度も「ウェルビーイング(よいあり方、幸せ)」な学校づくりに取り組んでいきます。「子どもたちが幸せな未来を歩んでいけるようになる」、「幸せに生きるための力をもった子どもたちに育つ」ためには、まず大人が幸せな生き方を体現していく、子どもたちに見せていくことが大切だと考えています。引き続き「アリアリナンヤッ!(ありがとう、ありのままに、なんとかなる、やってみよう)」の心を大切に、教職員が『明日行きたくなる職場』、子どもたちが『明日行きたくなる学校』、保護者が『通わせて良かったと思える学校』を目指します。教職員を最初に挙げているのは、先ほど「まずは大人が」と述べたように、教職員がいきいきとした姿、幸せな生き方を見せることが、子どもたちもいきいきと成長し、幸せに生きる力を育むことにつながると信じているからです。
令和8年度も全教職員が一丸となって、帯広聾学校の学校教育目標「自ら学び、よく考え、行動できる子ども」「自分の思いを豊かに表現できる子ども」「思いやりがあり、明るく元気な子ども」が達成できるように全力で取り組んでまいります。
保護者の皆様や地域の皆様、盲聾教育後援会、同窓会、本校に関わる全ての皆様、今年度も変わらぬ御理解と御支援をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
「当たり前ではない日常に感謝」
北海道帯広聾学校長 二階堂 洋子
先日、石川県の輪島市立輪島中学校1年生の皆さんから私宛に次のような手紙が届きました。
「(前文略)皆さんの支援のおかげで、私たちは勉強に励んだり、日常生活を送ったりすることができています。私たちの住む輪島は、建物がたくさん解体され、かつての姿が見られるところが少なくなってきました。輪島市のことを忘れてほしくない、この現状を伝えられるのはこの震災を経験した自分たちしかいないと思い、(中略)自分たちの体験したことをまとめ発信してきました。テーマは「体験を減災へ」です。今まで皆さんからたくさん助けてもらった分、今度は皆さんにできることは何かと考え、『語り部』活動に挑戦します。(中略)私たちの住む輪島の復興はまだまだこれからです。そこに住む私たちがまずこの輪島を元気にするためにも皆さんの力を借りて新たな挑戦をしていきたいと思います。(後略)」
私も実際に現地に行っていますが、未だに言葉を失うほどの状況が続いています。それでも子どもたちは、前を向いて生きていこうとしている、その力に勇気づけられますし、その挑戦を応援したいと心から思います。
本校の子どもたちの挑戦にも勇気づけられることがたくさんありました。運動会や学習発表会などの行事での頑張りにも感動しましたし、日常の活動や学習の中でも、幼児児童生徒のたくさんの成長ぶりを見ることができました。
何よりも毎日元気に登校してくる姿を見ることや、何気ないやりとりを楽しんでいる様子を見られること自体がかけがいのない、尊い時間でした。
この時期になると、前任校で通って来ていた子どもが突然亡くなったり、保護者が卒業式の直前に亡くなってしまったりしたことを思い出してしまいます。
卒業をすることも、卒業を見守ることも当たり前ではなくて、奇跡のようなことです。
本日、保護者、地域の方々に見守られながら、卒業証書、修了証を16名の幼児児童生徒に渡すことができました。どの子も様々な経験と学びを通して、大きく成長しました。元気に活動している子どもたちの様子や日々の成長を喜び合えること、当たり前ではない日常に感謝しながら、これからも皆様と共に歩んでいきたいと思います。
あらためまして、卒業・修了おめでとうございます。
一年間ありがとうございました。
本校のマスコットキャラクター「しまがろう」です。本校の児童生徒たちがアイデアを出し合って作りました。このキャラクターの著作権は本校に依存します。
帯広聾学校いじめ防止基本方針については、以下のPDFファイルをご覧下さい。
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